テーマ
木造の軸組構法住宅で用いられている技術・部材を応用し、大空間を確保しながらも、高い耐震性と省エネルギー性に優れた環境共生型の中規模建築物を住宅建築同等のコスト・工期で実現
背景
●公共建築物木材利用促進法(国土交通省、農林水産省)
●地球温暖化対策への取り組み ~つくば環境スタイル~(つくば市)
建物概要
- 建物名:株式会社インテグラル 開発センター
- 住所:つくば市葛城特定土地区画整理事業D27街区 つくばエクスプレス「研究学園駅」徒歩3分
- 用途地域:商業地域、基準法22条地域 建蔽率 80% 容積率 400%
- 構造:木造3階建て軸組構法 許容応力度計算により検討
- 軒高さ:8,900mm(高さ13m以下、軒高9m以下)
- 仕様:(屋根) ガルバリウム鋼板
(外壁) 1,2階:板張り(レッドシダー) 3階:シラス壁
( 梁 ) 中断面集成材
- 用途:事務所
- 床面積
| 3階床面積 |
64.75m2 |
(19.59坪) |
| 2階床面積 |
159.63m2 |
(48.29坪) |
| 1階床面積 |
153.04m2 |
(46.29坪) |
| 延床面積 |
377.42m2 |
(114.17坪) |
- 設計「ホームズ君 構造EX」を使用
(平面計画、基準法構造チェック、許容応力度計算)
- 性能 耐震等級2 省エネ等級4
(CASBEE Aランク)、劣化対策等級3、維持管理対策等級3
- 工事費用 58万円/坪前後 ※太陽光パネル、外構及び設計料は除く
- 工期 5ヶ月
- スケジュール:2011年3月着工 2011年9月竣工
コンセプト
隣接する公園とのデザイン的な連続性や公園利用者に圧迫感を与えないようにデザイン・色彩・高さ・配置に配慮します。
木造化・木質化(木材利用の促進)
- 木造化
- 従来3階建てオフィスは、大半が鉄骨造・RC造であったが、木造で実現する。
- 木質化
- 環境共生を目指し、内外装共に極力木質化する。
外壁は、70%以上をレッドシダーによる木質化。内装では、室内の梁を現しとし、床は全面フローリング、壁は板張り、階段も木質化、エントランス他で木質建具を採用する。また、地域材である茨城県産の杉を一部用いる。
- 住宅用技術の応用
- 通常のプレカット工場で対応可能な範囲の中断面集成材のみで設計し、住宅並みのコスト・工期を実現する。断面欠損を抑えるために、梁・柱接合部については、金物構法を採用する。
- 耐震性の高い大空間を実現
- 梁や柱の架構を詳細に検討し、開放的な大空間を確保しながらも、優れた耐震性(耐震等級2相当)を実現する。
省エネ設計,省CO2設計(次世代省エネ基準)

・省エネ等級4(熱損失係数Q値 1.91W/㎡)
・外断熱による高気密・高断熱
・CASBEE Aクラス
・片流れの大きな庇による夏期日射遮蔽
・断熱Low-E複層ガラスの採用
・LED照明の採用
|
・自然風、自然光の利用
・昼光の利用
・緑のカーテン
・駐車場緑化による照り返し防止
・節水型トイレ、洗面
・高効率ガス給湯器(エコジョーズ )
|
- エコ設計
- ・外断熱
・南側大開口による日射取得および蓄熱
・断熱性能の高い断熱Low-E複層サッシを採用
・高効率の床下暖房システム
・深い軒による日射遮蔽
・南北大開口による高い通風性
- 省エネ化
- ・太陽電池パネルの設置(3kWh)
・省エネタイプの照明器具(LED照明)
- 省エネの”見える化”
- ・消費電力量のモニタリング表示システム『ワットソン君』
啓蒙活動
- インテグラルのソフトユーザーへのセミナー会場として活用することにより、多くの建築技術者への公開および、技術の普及につなげる。
- 先導的モデルオフィスとなるよう、技術情報等をパンフレット等にまとめ、広く公開する。
- 構造については常時微動計測システムを用い、省エネについては温度計測診断システムや電力量計測システムを用いて、分析・評価を行う。
- 駅前、公園隣接という立地を利用し、来訪者へ木造建築・木質化、エコへの取り組みをアピール。
床下空調システム+サーバ排気熱利用

1階執務スペースを床下空調システムとし、エアコンの吹き出しをダクトで床下に運び、床に空いたスリットから吹き出しをします。基礎スラブを蓄熱材として利用することで、効率的な空調システムを実現します。
電力量の "見える化"

自社開発の電力量計測システム「ワットソン君」を設置し、消費電力量の多い空調設備機器等の消費電力をWEBやiPhoneからリアルタイムに監視
許容応力度計算による3階建て木造オフィス

- 可変性の確保
- 人員増加や体制変更に伴う間取り変更に対応するため、外周部に構造用合板および筋かいを用いた耐力壁を配置し、内部には必要最小限の耐力壁(筋かい)とすることで、間仕切り壁の変更を容易に可変性を確保した。
- 3階水平構面の検討
- 3階を勾配天井とし、2間半のスパンを確保するため面材張り、水平構面の詳細計算法により屋根水平構面の許容せん断力を求め、検討を行なった。また、南側に一部天井レベルでの水平構面を確保し、水平剛性を確保した。
- 意匠、構造の両面から架構を検討(柱、梁現し)
- 柱・梁を現しとするため、意匠段階から梁の架構や梁せいを考慮して設計を行なった。弊社製品の「ホームズ君 構造EX 許容応力度計算」を使用し、意匠設計⇔構造計算を相互に確認しながら設計したため、手戻りが少なく、設計工期を1/5と大幅に短縮。
- 梁せいの抑制(中断面で長スパンの実現)
- 梁の架構状況によっては、長スパン(2間超え)の梁などでは多大に鉛直荷重を負担することになり、梁せいが大きくなってしまう問題があった。そのため、あえて柱を配置しないことで、鉛直荷重の負担を減らし、梁せいを抑える工夫をした。
- 金物工法+在来工法=「ハイブリッド金物工法」
- 金物工法により、仕口の断面欠損を極量低減し強度を確保した。さらに構造材に集成材を使用するため高精度の施工を実現した。また、在来工法で用いるホールダウン金物等も併用することで、柔軟な設計を可能にしコストダウンも追及した。
プロジェクト体制

お問合せ
株式会社インテグラル
つくば木造・木質化エコプロジェクト担当
TEL:029-850-3331 FAX:029-850-3334
イベント
- 構造見学会(2011年4月)
- 完成見学会(2011年9月)
関連情報
- 2011/10/12
- [メディア掲載] 日刊木材新聞に、弊社開発センターの設計について記事が掲載されました。
- 2011/10/12
- [メディア掲載] 新建ハウジングに、弊社開発センターの記事が掲載されました。
- 2011/09/22
- [メディア掲載] 日刊木材新聞に、弊社開発センターの記事が掲載されました。
- 2011/09/17
- [メディア掲載] 日本経済新聞に、弊社開発センターの記事が掲載されました。
- 2011/09/01
- [プレスリリース] インテグラル 新・開発センター開設のお知らせ