日刊木材新聞に「日当たりナビ」の開発に関する記事が掲載されました
2016年6月22日 日刊木材新聞(12面)
初期段階でパッシブ設計、「日当たりナビ」開発
前真之東大准教授と共同開発で
インテグラル(茨城県つくば市、柳澤泰男社長)は、熊本地震で住宅の耐震性能に関心が高まるなか、構造の検討を始める前に敷地の日当たりについてシミュレーションを行い垂直面の日射量を視覚的に判断し、建物の配置や開口部などを考慮した設計を行うためのツールとして「ホームズ君日当たりナビ」を東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の前真之准教授と開発(特許共同出願)したことを明らかにした。
構造安全性への施主の関心が高まることで、今後構造を重視したプランが増えていく可能性があり、結果として壁が多く開口部が小さい住宅が増えていくことが予想される。
同ナビでは設計フローを見直し、構造を検討する前段階で敷地の日当たり条件などをNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の837地点の気象データ(外気温、全天日射量)、風向きなどを採用。グーグルマップなどから近隣住戸の情報を得て、さらに隣棟の間からの日射条件なども踏まえて、外壁面への日当たりを壁の位置を変化させながら視覚的理解できるようカラー画像で表示し、垂直面の入射をガラスとして計算。垂直面の日射量を計算し、パッシブ設計を重視した機能を盛り込んだ。眺望の要素も加え、壁や窓のラインを決定する参考にできる。初期段階でシミュレーションを行うことで構造設計、外皮計算を行う前に日当たりの検討を付けられる。
ホームズ君構造EXの7月に行うバージョンアップでこの機能を搭載、平面プラン・構造検討を行う前に概算UA値(外皮平均熱貫流率)の検討を行い目標値に沿った設計ができる。7月リリース予定のホームズ君省エネ診断エキスパートにも日当たりナビの機能を搭載する。
さらに壁や窓の表面温度を設計できる機能も盛り込んでいく計画で「壁などからの放射熱を検討し室温を設計できるようにしてきたい」と同社では話している。
前准教授は「単純な性能競争では地域の工務店よりハウスメーカーが優位なので、地域の気候を読みこなしてハウスメーカーにできない家づくりをしてほしい」話している。
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