基準法改正にスムーズ対応 ~不正合確認しやすい図面の出力機能追加~
2025年7月25日(金)日刊木材新聞(8面)

インテグラル(茨城県つくば市、藤間明美社長)は、4月の改正建築基準法対応第3弾として構造計算ソフト「住宅性能診断士ホームズ君構造EX」をバージョンアップした。確認審査機関などに審査のしやすさなどについてヒアリングし、スムーズに審査できる帳票図面なども整備した。同社は「ホームズ君はこれまで計算に特化してきたが、図面作成、出力機能を追加し、平面、立面、断面、構造詳細図を国土交通省のマニュアルに沿って出せるようにした。これにより計算と図面の不正合のチェックがしやすくなった」と話している。
同社は今回の建築基準法改正に当たり昨年10月、今年4月、そして今回の7月14日付と3回にわたりバージョンアップを実施した。特に今回は確認審査に時間を要すといわれるなかで、建築士だけでなく、確認審査機関約10カ所にヒアリングし、計算と図面の不正合をチェックしやすくするための帳票、出力図面などを整備した。平面、立面、断面、構造詳細図(基礎のみ)の出力機能を追加。立面図と断面図は任意の位置にレイアウトできる。敷地情報などは別途Jw-cadなどで加筆、修正が可能。次回のバージョンアップでは敷地や斜線対応についても対応できるよう開発を進めていく。
確認申請用図面作成では、Jw-cadのほかDXF形式でも出力可能。計算条件のページを追加し、仕様規定に対して設計者が任意に選択した準耐力壁や壁倍率7倍を超える壁の仕様など、審査機関側が確認すべきことを分かりやすくした。
さらに柱小径など、算定画面内で設定した高さ、仕様をエクセルに書き出す機能を追加。対象は在来軸組工法用、多機能版、北海道版など。必要壁量の計算では床面積を「見下げ面積」だけでなく、ポーチや上階吹き抜け、オーバーハングなどがある場合は「見上げの面積」でも算定できる。
申請上は壁量計算で行い、実際には許容応力度計算を行う場合などは使用する接合金物が異なることもあり、「許容応力度計算で求めた引抜力以上の金物」を選択できるようにした。基礎の人通口、開口部の仕様設定ができるようにした。基礎の仕様規定による判定も可能。基準法の換気計算、採光計算にも対応した。金物工法の耐震性能を評価するため逆せん断検定機能を追加、大屋根(1~2階をまたぐ一つの屋根)の入力などにも対応した。同社は建築確認審査機関との打ち合わせを通じて「ホームズ君ならスムーズに確認が下りると紹介してもらえるケースも出てきた」と話している。