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2016年4月12日


ジャパンホームショー2016 日本エコハウス大賞インテグラル賞受賞 エコやBAOBAB様”つなぐ家”訪問

昨年2015年11月に株式会社エクナレッジ『建築知識ビルダーズ』(年4回発行)が企画した『日本エコハウス大賞』でインテグラル賞を受賞された”エコやBAOBABさんのつなぐ家”を見学させていただいてきました。このインテグラル賞、実は、諸般の事情で審査時間が短い中、弊社の社長がプレゼンシートの出来ばえに半ば一目ぼれして選んだという経緯があったのですが、その後、弊社の『ホームズ君すまいのエコナビ』で詳しく分析してみると・・・、すればするほど、素晴らしさが明確に。詳細は、弊社のパッシブセミナーでご紹介していますが、主な注目ポイントは以下のとおりです。 1.高断熱、太陽熱給湯、太陽光発電 ⇒ ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)達成 2.採光、2階リビング ⇒ 密集地・眺望を工夫 3.季節にあわせた住まい方の調整(障子、外部ルーバー)を採用 ⇒ 夏の日射遮蔽、冬の日射取得 4.高窓 ⇒ 通風確保 5.温熱環境と自然素材 ⇒ 健康な暮らしの実現 非の打ちどころがありません。分析するうち、現物はどんななんだろう、一度拝見してみたい・・・そういう想いをいだくこと数か月。そして、念願かなって、去る4月1日、桜6分咲きという絶好のシーズンに訪問の機会をいただきました。 まず、周辺状況と外観です。 芦屋駅から車で5分程度の閑静な高級住宅街。少し先には六麓荘町という高級住宅街を臨むということで駅前から何となく上品さが漂っていました。 敷地としては、約49坪、南を含む3方向には2階建住宅がせまり、北西には公園が広がる敷地。パッシブ設計をしようとするとき決して条件がいいとはいえません。 が、ここに、設計に工夫とこだわりを重ねて建てられたのが、この和モダンな印象の住宅、”エコやBAOBABさんのつなぐ家”です。
敷地周辺

周辺地図

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芦屋駅前

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外観


和風のテイストを取り込んだ少し狭めのアプローチ、天然木で作られた引き戸式玄関ドア(しかも、黒塗り)。こだわりがずしずしと感じられました。 緊張しつつ、そこを開くと、南東方向からの採光を工夫した明るい玄関。いい意味で期待を覆された感じさえしました。 玄関土間部分と居室の区切りにはポリカーボーネートの室内扉があり、冬場は玄関の開け閉めの際の冷たい空気がここで一旦ストップできる工夫になっていました。 そして、扉の向こうに目をやると、1、2階吹抜けの広く明るい空間が広がっていました。 GLが奥に向かって若干上がっているのを利用して、床面があがっています。そして奥に暖炉。 1階床面積58.35平方メートルというのに、それ以上の奥行き感・解放感を感じる空間設計です。
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表札

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玄関引き戸

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外壁

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玄関から南東方向

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1F南東窓

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浴室


回り階段を上りつつ・・・外の桜が見えるだろうなと予想しながら2階にあがってみると!!! 空中ダイニングと名付けたいような、想像をはるかに超えたのびのびとした風景が飛び込できました。緑と桜の花が窓いっぱいに広がっています。 公園側に配置された4連窓からの眺めは、一日中桜を独り占めと言わんばかりです。 ふりかえると、ダイニング、フリースペースがスキップになっていて、視界を上部方向にセットさせられつつ、視界最終位置には窓。しかも南東の角なので光を受けていますが障子が柔らかく室内を照らしています。 奥行感の演出が憎すぎませんか。
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2Fダイニング 北西向き

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北西から南東方向に広がるリビング・フリースペース


天井面の木の現しが繊細かつ直線的でシャープ感を強調。 一方、漆喰壁の角はアールに。巾木もなにげなくアールに。 こうした細かいところは、泉幸甫氏設計ならではのこだわりだそうで、大工さんの腕の見せ所だったそうです。 ダイニングに続くリビングでは、子どもたちが仲良く遊んでいました。 汚さないかな・・・そんなことを心配しながら、奥に進んでいくと、本格的な茶室が!!! お茶の心得のある施主ならではのこだわりがそこにもありました。 小さい子どもにこそ、ホンモノの木の風合い、ホンモノの茶道の心をを伝えたいという施主の想いがあれば、汚れるなんていうことは心配ないようです。そして、ホンモノのオーラに子どもたちも感じるところがあるのか、傷つけたり壊したりすることはないとのことでした。
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壁の角もR加工

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天井面(南東⇒北西)

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天井面(南西方向)

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茶室


このような素敵な、しかも、巨匠の設計した住宅であれば、断熱性能は犠牲に・・・?というのは、昔の話。 意匠面のメリットは、温熱環境・光視環境としても有利な設計となっているのです。巨匠の野生の感でしょうか・・・(笑) 参考までに、『ホームズ君すまいのエコナビ』でシミュレーションした日照時間シミュレーションを見てください。3方向に隣棟があるのに、主たる居室への日照の取り込み具合、完璧です。 日照時間
そして、北西に流れる屋根でありながら、勾配を抑えることで太陽光発電は5.8kwを搭載し、ZEH基準を達成しています。 IMG_0057IMG_0058
ZEHといえば、メカメカハウスなどと言われる住宅が想像されますが、ここで紹介したような巨匠のアイディア満載の意匠でも、 自然素材にこだわり、温熱環境、そして、もちろん構造にもバランスよく、丁寧に設計された家。 これから、2030年に向けて目指すべきZEHのプロトタイプといえる物件でありました。 最後に、この住宅の持ち主であり、エコやBAOBAB代表取締役社長の山田知平様と設計をされた泉幸甫氏。 IMG_0042IMG_0047
今回は、大賞を逃して残念がられていましたが、その自信、ホンモノであることを確認させていただきました。 インテグラルは、2016年も日本エコハウス大賞に協賛します。 みなさま、ふるって、ご参加ください。